葬儀ってなぜするの?

葬儀について

2020.05.16 葬儀ってなぜするの?

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今回は葬儀の意味について書かせて頂きます。生活者の皆様は普段なかなか意識することが少ないかと思います。改めて葬儀の意味を知り考えるきっかけになれば幸いです。

〇葬儀とは

葬儀とは、広い意味では「葬送儀礼」の略です。臨終から死後の喪に至るまでの、死別に立ち会った人が営む、悲しみ、葬り、死者を悼む一連の儀礼のことを表します。
考えるべきことは、葬送儀礼は日本の伝統文化で死を悼み人々の心の悲しみのプロセスにそって成り立っているということです。意味が分からないから何もいらない、儀式的なことはいらないと表面的に考えるよりもどのようなことが自身の心の整理や悲しみを癒すことにつながるのかと考えることも大切だと思います。火葬のみで執り行ったが、葬儀後に故人を大切に供養したいと思うようになり、司式者やお墓を考えるようになったという方もいらっしゃいます。あんしん葬儀社では、葬儀の打合せ時にその後の供養をどのように考えているのかお伺いさせて頂きながらお寺様とお付き合いのない方にはご紹介をさせて頂いております。

葬儀はなぜするのか

近年葬儀の価値観は多様化しております。葬儀のお手伝いさせて頂くなかでも全く同じ葬儀は存在しません。ご家族の数だけ、違ったお別れのかたちがあります。葬儀の役割をまとめると次のような役割があります。

・社会的役割

社会に故人の訃報を通知したり、社会の人々が集まってその死を確認したりするのも一つです。また、死亡届けを役所に提出し、戸籍から抹消する。相続の手続きを行うなどの事務的な手続きもそれにあたります。

・物理的役割

故人との訣別で見える形ではご遺体との別れです。遺体をただ単に火葬する役割だけではなく、家族が故人との訣別をする、故人の尊厳を守るうえで大切な役割であるといえるでしょう。人は亡くなると生命活動を停止し、腐敗を開始していきます。そのため火葬をおこなうことで故人の尊厳を守る必要があります。これが物理的な役割になります。

・文化、宗教的役割

人がお亡くなりになることにより、その人と遺された人々との関係が閉ざされます。亡くなった方の霊をこの世からあの世へ送り出す必要が出てきます。私たちは死者の霊を慰め、あの世での幸せを祈ります。ここで宗教的な儀式の役割が出てきます。葬儀の中心的な役割をなしているのは司式者の読経などの宗教的な儀礼なのです。死者がこの世に存在していないことを受け止めるとともに、死者と遺された人々と心理的な新たな結びつきを新しく作り出す役割を果たしているのです。宗教的な儀礼の意味を知らない人が大多数かと思いますが、あんしん葬儀社では8割以上の方が仏式や神式などの葬儀を選択されています。
日本人は「無宗教」と答える方が多いようですが、宗教的な儀礼は実は私たちの生活の中で身近にあるものなのかもしれません。

・心理的役割

心理的役割のなかで大きなものは悲嘆の処理です。人の死は心理的に強いストレスをもたらします。周囲の人が心理的な衝撃や悲しみをもたらすので、死を受け入れられない場合がしばしばあります。その死を受け入れるためには長い時間を要し、葛藤を伴います。臨終・通夜・葬儀という流れが仏式では一般的な流れですが、数日間かけて行われる葬儀の各場面にはそれぞれ意味があり、悲しみを癒すためのプロセスに沿うものであると思います。特に配偶者や家族は精神的な結びつきが強く、強い心の痛みを生じさせます。これを悲嘆やグリーフといいます。これは病気ではなく心理的なプロセスとして自然なことです。
悲嘆やグリーフの状態から通常の生活に復帰するためには長い時間が必要です。この時間や期間は個別で様々です。数年~数十年抱え続けることもあります。特に子供を亡くした親や配偶者を自死で亡くした方、事故で突然大切な方を亡くした場合など状況によって様々で早く回復することが良いことでも悪いことでもないと言われております。大切なことは死別の悲嘆を抑制したり、逃げたりするのではなく表出することによって癒されていきます。その過程で体調を崩したりすることもあります。このようなプロセスがあるということを理解し、その過程を邪魔することなく近くにいて差し上げることが身近な方ができることだと思います。

・社会心理的役割

人がお亡くなりになるとさまざまな感情にとらわれます。古い時代でいえば人の死が新たな死を引き起こす祟りなのではないかと恐れられていました。また、遺体が腐敗することに対する恐怖などがその一例です。人の死は様々なことを連想させてきましたが、その感情を緩和させるために儀礼が役割を果たしてきました。そうした人々の様々な感情を分かち合い故人を囲んで時間を過ごすことが社会心理的な役割で重要になってきます。

ここまで葬儀の役割について書かせて頂きましたが、時代や生活様式の変化によってその意味合いや意義も変化していくと思います。新型コロナウィルス感染症によって人々の価値観や行動変容が起こると指摘されていますが、葬儀も例外ではありません。あんしん葬儀社では大切な価値観を受け継ぎ、葬儀の本質について考えサービスを提供していきます。
ここまでお読みいただきありがとうございます。

荒井 貴大

代表取締役
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