エンバーミングについて

葬儀について

2020.01.08 エンバーミングについて

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今回は、エンバーミングとはどういうものなのかを簡単にご説明させていただきます。

エンバーミングとは?

エンバーミングとは、ご遺体の長期保存やご遺体からの二次感染の防止を目的とした処置のことです。この処置を施すことにより、ご遺体を衛生的に保全でき、生前と近いお姿でお別れをすることができるようになります。
では、具体的にどのような処置を施すのかをご説明いたします。
亡くなられてから時間の経過とともにご遺体の様子が変化してしまうのは、血液や内臓の腐敗が進行するためです。エンバーミング処置では、血液・内臓の代わりに防腐剤を注入することにより、生前と近い見た目を保つことができるようになります。ご遺体を切開し、静脈から血液を排出させると同時に、動脈から防腐剤を注入します。この時、急激に薬剤を注入すると、血管が破裂したり、腫れが出てしまったりするおそれがありますので、できるだけ血管に負担をかけないように、時間をかけてゆっくりと血液と防腐剤の交換を行う必要があります。また、防腐剤が全身の血管に行き渡るようにマッサージをしながら行いますので、血液の交換には数時間かかると言われています。また、内臓もそのままにしておくと腐敗が進んでしまいます。腹部にパイプを挿入して腸などを吸引し、代わりに防腐剤で満たします。
防腐効果のある薬品として、ホルマリンが使用されています。ホルマリンは人体に蓄積されやすい有害な物質です。皮膚吸収される性質を持っているため、エンバーマーは施術の際に防護服を着用しなければなりません。近年では、エンバーマーの健康を考えた、ホルマリンフリーの薬品使用が進められています。
エンバーミング後のご遺体は一定期間保全された状態になりますので、エンバーミングを施したご遺体はドライアイスでの冷却を必要としません。

どこの葬儀社でもやってくれるの?

エンバーミングをするためには、エンバーマー資格を有する人とエンバーミング施設が必要です。したがって、すべての葬儀社が可能とはいえません。
エンバーミングは、資格のある者しか行うことができません。一般社団法人 日本遺体衛生保全協会(International Funeral Service Association、通称IFSA)の指定したエンバーマー養成施設で、資格試験に合格した人だけがエンバーミングを行うことができます。現在、エンバーマーのライセンスは国家資格ではありませんが、IFSAは法制化を急いでいます。
また、指定されたエンバーミング施設でないと処置を行うことができません。先ほど少し触れましたが、エンバーミングに使用する薬剤は人体に有害なものもありますので、適切な方法で排水する必要があります。また、感染のおそれのあるものの保管・処理にも万全を期す必要があります。エンバーミングには安全性と環境への配慮が求められるため、排水・排気管理設備の整った施設でなければ施術することができません。栃木県には3箇所のエンバーミングセンターがありますが(2020年1月現在)、その他にエンバーミング施術車とよばれる、エンバーミング設備を積載したトラックで各地に赴いて施術を行う場合もあるようです。

エンバーミングできないご遺体について

エンバーミングはあくまでも防腐処置のため、ご遺体の腐敗が既に始まっている場合、エンバーミングはあまり効果的ではありません。この場合は、ドライアイス等で冷却することによって、できるだけ腐敗が進まないような処置を施すことが賢明でしょう。
また、エンバーミングはご遺体のもともとの血管を利用するため、首から下のお体の状態によっては施術が難しい場合があります。

日本におけるエンバーミング

エンバーミングの目的は、感染防止とご遺体の長期保存の大きく二つに分けられます。現在、日本においては、主にご遺体からの二次感染防止のための処置として行われています。例えば、故人様が結核のような感染症のために亡くなられた場合、通常ご家族はご遺体に触れないように病院から指示を受けることがあります。エンバーミングを施せば、ご家族は感染のリスクなく遺体に触れることができるようになります。
時折、「故人の怪我や傷を隠すために、エンバーミングをしてほしい」とご相談をいただくことがございます。エンバーミングは、安らかにお休みなられている故人様のお姿を見てきちんとお別れができるように、ご遺体の修復を行うこともございます。
ただし、ご遺体の処置や修復はエンバーマーでなくとも行うことができます。ご遺体用のワックスを使用するなどして、お体をきれいにしてさしあげることのできる場合があります。こちらは技術と経験があるのもがいれば、エンバーミングのライセンスやエンバーミング施設の有無に関係なく処置が可能です。ご遺体の修復を専門としたサービスを提供している会社もありますので、もし、ご遺体の損傷を修復する目的でエンバーミングをお考えの場合は、一度葬儀社に相談してみることをおすすめします。

エンバーミング後のご遺体の保存期間は?

IFSAは、50日を超えてのご遺体の保全処置を実施しないという自主基準を設けています。2020年1月現在、日本でご遺体の保存期間についての法律はありませんが、保存期間が50日を超えると再び防腐剤の交換が必要になります。このメンテナンスを怠ると、ご遺体の指先などの末端からミイラ化してゆきます。
例外的に、50日を超えるご遺体の保存としては海外への移送が挙げられます。ご遺体を国外へと移送する場合、衛生面の理由からエンバーミングが施されます。国外へとご遺体を移送する際に、手続き等で時間がかかる場合もございますので、この場合は50日を超えても保全処置が施されます。反対に、ご旅行先など国外で亡くなられた方のご遺体が日本に移送される際も、基本的にはエンバーミングがされています。

今回はエンバーミングについて簡単に説明させていただきました。まだまだ日本では一般的とは言えませんが、選択肢のひとつとしては良いかと思います。大切な方との最後のお別れはご遺族の一番印象に残るものではないでしょうか。
あんしん葬儀社では、大切な方とのより良いお別れのために、お客様にとって必要なことを個別にアドバイスさせて頂きます。ご心配なことがありましたら、ご相談だけでも大丈夫ですのでお気軽にお問い合わせください。
ここまでお読みいただきありがとうございました。

荒井 貴大

代表取締役
荒井 貴大

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